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日本船侵入の動機は撮影させること(産経新聞)

【SS元船長 論告の要旨】

 シー・シェパード(SS)抗議船「アディ・ギル号」の元船長、ピーター・ジェームス・ベスーン被告(45)に対する論告求刑公判で、検察側が読み上げた論告の要旨は以下の通り。

 ■傷害の発生状況

 被告が所属するシー・シェパード(SS)は、平成18年1月ごろから、日本鯨類研究所が毎年、船団を南極海に派遣して実施している捕鯨調査への妨害行為を繰り返していた。同研究所が21年11月から22年4月まで、母船の日新丸や多目的船の第2昭南丸など5隻で編成された船団を南極海に派遣して実施した捕鯨調査に対しても、21年12月17日ごろから妨害行為を繰り返した。

 SSは22年2月11日にも、午後5時22分(日本時間)ごろから調査船団への妨害行為を続けたため、妨害行為排除などの任務が与えられていた第2昭南丸の船長は、乗組員らに妨害行為の排除業務などに当たらせながらも、同船団母船の日新丸を追尾する妨害船、スティーブ・アーウィン号などを追尾していた。

 被告は2月11日午後11時ごろ、スティーブ・アーウィン号から降ろされたエンジン付きゴムボートで第2昭南丸に接近し、他のSS構成員とともに、同船にガラス瓶のようなものを投げ入れようとしたが、同船に設置された侵入防止ネットに阻まれた。

 すると被告は、ゴムボートで第2昭南丸に接近して左舷側を併走し、約15メートル離れた地点から、圧縮空気式発射装置(ランチャー)を用いて、酪酸(らくさん)の入ったガラス瓶を、乗組員の近くの第2昭南丸の左舷側船橋部を目がけて発射した。

 当時、第2昭南丸は、約2.1ノットの追い風の中、14.1ノットで航行しており、甲板上の人間にとっては、船首から船尾に向かい約12ノットの風が吹いている状況だった。

 ガラス瓶は容量約350ミリリットルで、酪酸が詰まっており、総重量は約450グラムだった。酪酸は腐ったバターのような不快なにおいだけでなく、強い腐食性があり、皮膚への接触は、痛み、発赤、水疱、皮膚熱傷などを、目への接触は、痛み、発赤、重度の熱傷、視力喪失などを起こす、非常に危険な物質。

 被告がガラス瓶を発射した際、第2昭南丸の甲板上では、船長が、船橋上部の甲板上で操船を指揮するとともに、船橋の甲板上に2人が、その下の上甲板上に○○(公判では実名)ら4人が配置されるなど、合計16人が甲板上で妨害行為の排除業務などに従事していた。

 ガラス瓶は、目標地点から船首側に約2メートルそれた船橋部の操舵(そうだ)室付近に激突して粉々に破裂し、瓶の破片や酪酸の一部は、船橋甲板上の操舵室左側の通路に飛散して、付近にいた乗組員の来ていたかっぱなどにふりかかった。酪酸が付着した通路上の塗装は、まだら状に変色した。

 上甲板上にいた3人は、ガラス瓶が破裂した直後、ほおや目の痛み、発赤、充血などの症状を呈し、目を開けていることも困難な状態となり、船橋甲板の船尾側にいた1人もほおに刺激を感じた。

 3人は船内のシャワールームに入り、顔面を水で洗うなどの手当てをしたが、○○には最も顕著(けんちょ)に症状が現れて、目は充血し、上まぶたや両ほおが赤くはれ、左ほおの発赤の中心部分は白い水疱を生じており、水疱がかさぶたとなってはがれるまで約1週間を要した。

 第2昭南丸の船内は、手当てに追われるなどして混乱状態に陥ったため、船長は、スティーブ・アーウィン号などの追尾を一時中断して、調査船団から離脱した。

 ■被告の行為と被害者の負傷の因果関係

 被告がゴムボート上からランチャーでガラス瓶を発射して第2昭南丸に激突させた直後に、乗組員3人は、ほおや目の痛みなどの症状が生じたため、直ちに真水で洗い流すなどした。

 その状況について○○は「被告がランチャーを構え、筒先がブリッジ(操舵室)の方向を向いていたので、私は顔を右斜め上に上げてブリッジの方向を見ていたところ、暗い赤色っぽい物が飛んでいった。その1、2秒後、目がぼやけて開けづらくなり、両目と両ほおが痛くなった。痛みとほぼ同時に、酪酸のにおいがしたため、酪酸が顔にかかったと思った。私はその場にしゃがみ込んだ。目が開けられず、失明するのではないかと思ったが、シャワールームまで連れて行かれ、目とほおを水で洗った。顔で自分の顔を見たところ、目は充血し、両ほおは赤くなっていた。左ほおは水ぶくれになっていた。室内は酪酸のにおいが充満した」と証言している。

 別の乗組員の1人は「左舷側の上甲板上で、私の横に2人おり、私より船首側約10メートルの位置に○○がいた。被告が何かを発射し、ランチャーの銃口から赤い煙が出て、ゴムボートから歓声が上がるのが聞こえた。その1、2秒後、目や顔に痛みを感じて目を開けられなくなり、同時に酪酸の異臭が漂ってきた。1人が痛みを訴えており、船首方向では○○がうずくまり、うなるような声をあげていた。私を含め3人が、シャワールームで顔と目を洗浄したが、○○のほおは、わっという感じで、まぶたが腫れ、目も充血して、両ほおが真っ赤になり、真ん中あたりが白く水ぶくれのようになっていて、本当に痛そうな顔をしていた」と証言している。

 また、第2昭南丸乗組員が撮影した動画に、被告がランチャーを発射した直後、乗組員らの「大丈夫か」「酪酸だ」などという声が聞こえて船内が騒然となった状況や、数分後にシャワールームで○○ら3人が、目やほおを必死に洗浄している姿が記録されている。

 2月11日午後11時すぎに○○の顔面を撮影した写真には、特に右目が充血し、上まぶたや両ほおが赤く腫れ、左ほおに水疱が生じているなどの症状がはっきりと撮影されている。症状は、酪酸を皮膚や目に浴びた場合に生じる典型的な症状と一致している。日新丸の船医は、2月13日、送信された前述の写真の画像を見ながら、無線で症状を確認する方法で問診し、○○を全治約1週間の顔面化学熱傷と診断している。

 酪酸が強い腐食性のある非常に危険な液体であることは文献などから明らか。飛散した甲板上の塗装が変色していることからも、腐食性が強く、人体に危険を与える危険性があったことは明らか。実際に、○○ら2人が目に痛みを感じ、目の充血など典型的な症状が出ている。○○らが酪酸で負傷したことは明らか。

 第2昭南丸上では、船首から船尾へ約12ノットの風邪が吹いており、操舵室の壁面に激突したガラス瓶内の酪酸が、風の影響などで下部後方へ飛散し、船橋甲板から下の上甲板上に達することは社会通念上も合理的に理解し得る。

 実際、激突地点から約11.6メートル風下にいた乗組員らも悪臭をかぎ、目などへの痛みを感じていることを考えると、酪酸は広範囲に飛散し、破裂地点に近い位置にいた○○が酪酸を浴びたことに疑いの余地はない。

 ○○らはフェイスガード付きのヘルメットを装着していたが、公判で、○○の場合、フェイスガードと顔面との間には約5センチメートルのすき間が空いていたことが明らかになっている。○○はガラス瓶の行方を確かめるため斜め上方を向いていたことなどから、飛散した酪酸が顔面に付着したことに、不自然・不合理な点は存在しない。

 第2昭南丸の乗組員がインパルス銃で発射した液体は、発射した乗組員が「船内の水道の真水である」と供述しており、鑑定でも、タンクの液体に催涙成分などが含まれていなかった。「インパルス銃内の化学物質で○○らが負傷した」とする被告の主張は、言いがかりに過ぎない。

 外科を専攻し、長年の経験を積んできた船医は、写真や問診により、○○に化学熱傷による水疱ができたことを確認し、水疱がかさぶたになれば、治癒するまでに最低1週間程度はかかることを根拠に全治約1週間の化学熱傷と診断した。その判断を不合理とする事情は存在しない。

 被告がガラス瓶を発射したのは、第2昭南丸の乗組員の業務を妨害しようとしたからであり、乗組員の全くいないところへ発射しても無意味だ。被告は、甲板上で乗組員が業務中であることを確認し、ほぼ正確に位置を認識していながら、ランチャーで、乗組員の1人から約4メートルの船橋部目がけて瓶を発射している。ランチャーはSSの手製で、正確に命中できる性能を持っているとは考えがたい。約15ノットで疾走するゴムボート上から発射し、狙った地点に命中させるのは困難で、実際、狙いより約2メートルそれた位置に瓶が激突している。

 被告は、そもそも乗組員の近くをめがけて瓶を発射し、瓶を破裂させて破片や酪酸を飛散させ、乗組員の身体に破片や酪酸の悪影響を及ぼすことを意図してこの行為に及んだ。すなわち、乗組員への暴行の故意を有していたことは明らかだ。実際に、酪酸を浴びた○○が傷害を負っており、暴行による結果的加重犯として被告に傷害罪が成立するのは明らか。少なくとも、傷害の未必的な故意を有していたことは明らか。

 被告は22年3月12日午前11時16分、第2昭南丸船室内で海上保安官に艦船侵入罪で通常逮捕されたあと、靴下内に隠し持っていたナイフの存在を自己申告した。しかし、申告はすでに海上保安官が逮捕に着手した後であり、申告するまでもなくナイフは見つかる状況だった。被告がナイフの存在を海上保安官に申告しても、自首にあたらないことは明らかだ。

 ■情状

 SSは、「調査捕鯨は違法だ」との主義主張に基づき、調査船団の捕鯨調査を妨害するため、妨害船で故意に調査船に衝突する▼ロープを投下して調査船のスクリューに絡ませる▼甲板上に酪酸などの入ったガラス瓶を投擲(とうてき)する−など、危険で悪質な妨害行為を長年にわたり、組織的かつ執拗(しつよう)に繰り返してきた。

 SSの活動は、国際捕鯨委員会(IWC)で、反捕鯨国を含む全会一致の非難決議により、国際的に非難されている。SSはこうした批判を無視して妨害行為を続けており、その一貫である本件の各犯行も悪質である。被告はSSの主義主張だけでなく、暴力的で危険極まりない妨害活動に自らも積極的に参加しようと考え、本件各犯行に及んでおり、刑事責任は重い。

 しかも犯行現場は南極海であり、十分な治療行為は不可能で、こうした点でも危険な犯行だ。

 被害者らは化学薬品を目に浴びたことで、激しい痛みが続いただけでなく、失明などのおそれも感じており、被害者らが被告の厳重処罰を望むのは当然だ。第2昭南丸は一時、船団からの離脱を余儀なくされ、被告が侵入したことで、予定より早く調査船団を離脱して帰国せざるを得なくなった。船団も予定の調査業務に重大な支障を生じた。

 被告は侵入に、テレビ番組のカメラマンを同行させていただけでなく、侵入後もしばらく甲板上に身を潜めた上で、夜明けになり、カメラマンを乗せたヘリコプターが接近したのを確認してから、侵入を乗組員に明らかにしている。侵入の主目的は、「衝突の責任を追及する」として船長らに接触する場面を、カメラマンに撮影させることにあったのは明らかだ。

 また、「衝突の責任が第2昭南丸側にある」とする被告の主張が、一方的な言い分に過ぎない。

 被告が所持していたナイフは、全長約33センチメートル、刃体の長さ約19センチメートルの鋭利なもので、被告は侵入後、実際には船内にナイフを隠しておきながら、「海に捨てた」と虚言を述べていた。海上保安官にナイフの携帯を申告したことで、斟酌(しんしゃく)すべき事情と認めることもできない。

 被告は「傷害は自己の犯行によるものでない」と述べており、反省の情が認められない。共犯者であるSS構成員らの特定、関与についての供述も拒んでいる。現在も、SSの妨害行為の正当性を主張しており、今後、同様の再犯に及ぶ恐れも認められる。

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by cpxbzdd0zs | 2010-06-15 19:18
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